
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」と、ヴァイオリン・ソナタ第6番を収録。いずれも1978年の12月だが、日にちが違っている。伴奏者は娘のニーナ・コーガンが務めている。親子共演というのは、若い頃はちょっと敬遠したくなるものだったし、デイヴ・ブルーベックが息子さんと演っているのはどうもなあ……という目で見ていた。でも自分がトシを取って親子共演の親の方に近くなると、「幸せで良いなあ」と思ってしまうのだから、勝手なものである。
演奏は素晴らしい。二人の呼吸の合わせ方と言うか、間の取り方、強弱と緩急のつけ方の息がぴったり合っているように感じる。親子ならでは、なのだろうか? いずれにしても、コーガンは幸せなヴァイオリニストだったのだろう。コンサートのライヴ録音と思われるが、ノイズはすくない。