2022年02月12日

CD35 チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 / エフゲニー・ムラヴィンスキ―指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

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ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの一行は、1960年にイギリスに演奏旅行に出た。その際にドイツ・グラモフォンはチャイコフスキーの交響曲第4番、第5番、第6番のセッション録音を敢行した。これはそのうちの一枚で、歴史的な名演として聴き継がれて来た。これではちょっと素気ないというか、甘ったるさがあっても良いだろうにと思ってしまうが、ムラヴィンスキー様は下々の感傷への耽溺など知ったことではないのだ。いや楽旅にはKGBが随行していたに違いなく、いつだれが亡命を図るかと戦々恐々の毎日で、ゆとりがなかったのかもしれない。何よりソ連録音じゃなくて、良い音で録音されているのがうれしい。(1961年)
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2022年02月11日

CD34 モーツァルト 大ミサ曲 / ポール・マクリーシュ指揮 ガブリエル・コンソート

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モーツァルトは、注文を受けてから作曲していた。このミサ曲を自ら書いたのは、父親の反対を押し切ってコンスタンツェとの結婚に走ったことと関係があるとされている……が、未完に終わっているのがまたモーツァルトらしい。他にハイドンとベートーヴェンによる、「ソプラノと管弦楽のためのシューナとアリア」を収録している。メリハリの効いた演奏で、カミーラ・ティリングのソプラノ歌唱も透明感のある軽めの声で聴き疲れしない。(2005年)
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2022年02月04日

CD33 ガーシュウィン ラプソディー・イン・ブルー / ジェームス・レヴァイン シカゴ交響楽団

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レヴァインはメトロポリタン歌劇場に君臨し、晩年はセクハラ疑惑で解雇された後に、名誉棄損と契約違反でメトロポリタン側を訴えて巨額の和解金を受け取っていた。そんなことを知ってしまうと、ちょっと聴くのも萎えるけど、音楽は音楽だ。

表題曲の他に「キューバ序曲」、「キャットフィッシュ・ロウ」(「ポーギーとベス」から)、「パリのアメリカ人」を収録。レヴァインの弾き振りによる演奏で、いわばピアノもオーケストラも自分の楽器として音楽を奏でている。ソリスト、指揮者、オーケストラの三者の出会いによる反応がなくて物足りない、という見方もできるだろうけど、まとまりの良さや一体感を味わうべき演奏なのだろう。録音もクリアで、ダイナミック・レンジが広い。「ラプソディー・イン・ブルー」は、やはりジャズ・ピアニストがソロを弾く方が楽しめるけれど、譜面に忠実な演奏の中では素晴らしい出来だと思う。(1993年)
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2022年02月01日

CD32 メモリー / ラン・ラン

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ラン・ランが子どもの頃から親しみ、演奏を深めてきた曲で構成されたコンサートのライブ録音。モーツァルトのピアノ・ソナタ第10番、ショパンのピアノ・ソナタ第3番、シューマンの「子どもの情景」を収録。モーツァルトは思い出し笑いをかみしめるような、ショパンはなつかしい想い出に浸るような、シューマンは物語をひもとくような、内省を感じさせる。内側から発するような音楽なっており、そこにこの人の天才があるのではないかと感じる。(2005年)
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2022年01月27日

CD31 グラス ヴァイオリン協奏曲 シュニトケ 合奏協奏曲第5番 / ギドン・クレーメル クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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フィリップ・グラス(1937〜)とアルフレート・シュニトケ(1934〜1998)による、ヴァイオリン協奏曲。後者ではライナー・コイシュニヒも、ソリストとしてピアノを弾いている。グラス作品はミニマル・ミュージック的なところもあるが、旋律を追っていけるし楽しめる。シュニトケ作品はおどろおどろしい異様な雰囲気で、高い緊張感が続く。(1993年)
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