2022年03月02日

CD40 スピーク・ロウ / アンネ・ソフィー・フォン・オッター ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 北ドイツ放送交響楽団

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クルロ・ヴァイル(1950〜1950)はドイツからフランスを経てアメリカに渡り、多くのミュージカル作品を残した。「スピーク・ロウ」や「マック・ザ・ナイフ」など、スタンダードになっている曲もあって、ジャズ・ファンにはなじみが深い。メゾソプラノのオッターはドイツ語も英語も、流行り歌も、すべて自分のものにして歌っている。「いかにもオペラの人」だったら、興覚めだ。「スピーク・ロウ」は頽廃的、けだるい雰囲気が漂っていて、これがなかなかに良い。(1993年録音)
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2022年02月27日

CD39 リスト 超絶技巧練習曲 / アリス・紗良・オット

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アリス・紗良・オットが19歳で録音したアルバムで、同じく19歳だった小菅優の演奏と聴き比べてみようと思ったが、そのCDが見つからなかった。小菅が快刀乱麻だとしたらオットは天衣無縫というか、瑞々しさが際立っている。静寂に消え入るようなピアニッシモは美しく、録音もピアノの響きを良く捉えていると思う。その後のオットは多発性硬化症の診断を受けて、演奏活動の中断もあった。症状が軽快することを祈る。(2008年録音)
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2022年02月20日

CD38 デュエット / アンナ・ネトレプコ ローランド・ビリャソン

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ニコラ・ルイゾッティとシュターツカペレ・ドレスデンによる伴奏による、デュエット集。美声の晴れがましい歌唱なのは間違いないし、オーケストラの演奏も丁寧に感じられて、素直に凄いと思うのだけれど、「また聴きたいと思う?」と聞かれたら、「いや、結構です」と言いたくなる。花は茎や葉があるから映えるのであって、花だけ集めても面白くはない、ということなのかもしれない。(2007年)
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2022年02月17日

CD37 カルメン幻想曲 / アンネ・ゾフィー・ムター ジェームス・レヴァイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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10代から活躍していたムターが、30歳のころに吹込んだヴァイオリン名曲集。表題曲の他にも「ツィゴイネルワイゼン」、「悪魔のトリル」、「ツィガーヌ」……と、定番曲がそろっている。ムターのヴァイオリン演奏は音量が豊かで切れ味が鋭く、低い方の音は艶めかしさも感じるし、堂々たる大家の貫録も漂っている。ちと残念に感じるのはレヴァインの指揮で、単純に盛り上げてお終いというか、ウィーン・フィルの優美が希薄になってしまっている。全体の響きよりも、やたらムターのヴァイオリンを前面に出した録音のせいもあるかもしれない。(1993年)
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2022年02月14日

CD36 ゴシック期の音楽 / デイヴィッド・マンロウ指揮 ロンドン古楽コンソート

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ディヴィッド・マンロウ(1942〜1976)はケンブリッジ大学で英語学を修めていたが、その時に古楽と出会ってリコーダーなどの演奏を独学で身に着けた。ロンドン古楽コンソートを組織して活躍したものの、父と義父を相次いで亡くしたことが災いしてか、うつ病で自死に至った。11世紀後半から15世紀前半までの、フランスのポリフォニー音楽を概観する企画で、オリジナルはノートルダム期、アルス・アンティクア、アルス・ノヴァ、それぞれLP1枚ずつに収まっていたらしい。グレゴリオ聖歌を土台にした音楽がどのように発展していったのか、それぞれが生き生きとした演奏になっていることだけでも驚くべきことだと思う。(1976年)
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