2022年04月27日

AH / エンリコ・ラヴァ     LP

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ジャケットのデザインは、ECMにあっては異端だ。現物はブルーがかっておらず、ギンギラギン。エンリコ・ラヴァ(tp)、フランコ・ダンドレア(p)、ジョヴァンニ・トマッソ(b)、ブルース・ディトマス(ds)のワン・ホーンでラヴァのペットをたっぷり聴ける趣向になっている。ハード・バップとフリー・フォームの良いとこ取りで、語法が外れたかと思えばまた戻ってくる。ダンドレアのピアノも縦横無尽に動き回っているかと思えば、キメるところはキメてくれる。

これは例えば新生ブルーノートからリリースされたとしても違和感のない作品で、だからこそCD化されずにくすぶっていたのだろう。ジャケットでやめたくなる人もいると思うけど、メインストリームもECMも好きな人は、中古盤屋でLPを見つけたら即買いすることをお勧めします。(AH / Enrico Rava Quartet  1979 ECM)
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2022年04月04日

バップ・ビー / キース・ジャレット   CD

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インパルス時代の最後を飾る作品は、ビバップに近い曲が収録されている。後年のチャーリー・ヘイデン(b)とのデュオ「ジャスミン」に吹込まれるようなしみじみとした演奏や、あるいはヘイデンの代表曲ともなった「サイレンス」も演奏されている。「宝島」と「生と死の幻想」以外は、曲想がバラバラでアルバムとしての統一性や展開がなく、印象に残る作品を残せなかったのが、アメリカン・クァルテットの不運だったような気がする。それはプロデューサーの責任でもあり、キースひとりに負わせるのは気の毒な気もする。演奏そのものは面白いので、量産されたスタンダーズ・トリオに食傷気味の方は、お聴きになってみてはいかがだろうか。(Bop-Be / Keith Jarrett  1976 Impulse)
タグ:IMPULSE
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2022年03月30日

バイヤブルー / キース・ジャレット    CD

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このアルバムと「バップ・ビー」が、1976年の10月に録音されて、インパルス時代のアメリカン・クァルテットはお終いになる。アメリカン・クヮルテットにしてもECMでの二作品の印象が強いためか、いまや見向きもされないアルバムだろうが、内容は格別に充実している。キースが書いたのは2曲で、メンバーそれぞれの、そして奥さんが書いた曲も演奏されている。これまではおもちゃ箱をひっくり返したような印象が否めなかったのが、「目指すところに向かっている感じ」とでも言えば良いのか。逆に言えば、もうこのグループでできることは、やり尽くしたという境地ではないだろうか。(Byablue / Keith Jarrett  1976 Impulse)
タグ:IMPULSE
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2022年03月27日

クラウズ・イン・マイ・ヘッド / アリルド・アンデルセン   CD

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アリルド・アンデルセンは、ノルウェイのベーシストで太い音色が魅力だ。ECM初期の録音はCD化されないままだったけど、3枚組のボックス「Greeen In Blue」でCD化された。ECMはこの手のボックスをリリースするとき、白紙のカヴァーに盤を入れて、オリジナルのデザインをを拝めないように差別化している。それでオリジナルの価値を保つというよりは、「聴ければ良いだろ」で配信音源に近いものにしているのが残念だ。

この作品はノルウェイのミュージシャン、Knut Riisnaes(ts, ss, fl)、Jon Balke(p)、Pal Thowsen(ds)←Palの「a」の上には〇がついている がつき合っていて、とくにヨン・バルケのピアノは絶品だ。長いフレーズを組立てるのが巧くて、旋律も美しい。ECMには珍しくストレート・アヘッドなジャズが主になっているので、CD化されていなかったのかもしれない。(Clouds In My Head / Arild Andersen   1975 ECM)
タグ:ECM
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2022年03月11日

ダブル・イメージ / デヴィッド・フリードマン & デヴィッド・サミュエルズ   LP

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デヴィッド・フリードマンもデヴィッド・サミュエルズも、打楽器奏者だ。ヴィブラフォン、マリンバ、そしてタブラなどの各種パーカッションを叩く。その二人にハーヴィー・シュワルツ(b)、マイケル・ディパスカ(ds, Per)が加わったのが、「ダブル・イメージ」というグループ名と思われる。フュージョンではなく、インタープレイ重視の硬派なジャズで、とくにシュワルツはこんなに反応の良いベーシストだったのかと瞠目させられる。メインストリームではないが、超絶的な名演と言っても良いと思う。(Double Image / David Friedman David Samuels Harvie Swartz Michael DiPasqua   1977 Enja)
タグ:ENJA
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