
ジャケットのデザインは、ECMにあっては異端だ。現物はブルーがかっておらず、ギンギラギン。エンリコ・ラヴァ(tp)、フランコ・ダンドレア(p)、ジョヴァンニ・トマッソ(b)、ブルース・ディトマス(ds)のワン・ホーンでラヴァのペットをたっぷり聴ける趣向になっている。ハード・バップとフリー・フォームの良いとこ取りで、語法が外れたかと思えばまた戻ってくる。ダンドレアのピアノも縦横無尽に動き回っているかと思えば、キメるところはキメてくれる。
これは例えば新生ブルーノートからリリースされたとしても違和感のない作品で、だからこそCD化されずにくすぶっていたのだろう。ジャケットでやめたくなる人もいると思うけど、メインストリームもECMも好きな人は、中古盤屋でLPを見つけたら即買いすることをお勧めします。(AH / Enrico Rava Quartet 1979 ECM)