2022年11月01日

ラスト・コンサート / モダン・ジャズ・カルテット    2LP

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MJQはミルト・ジャクソン(vib)、ジョン・ルイス(p)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)と同じメンバーで、20年以上の長きにわたって活動を続けた。このアルバムは、その最後のコンサート(その後には再演もあったけど)の模様を収録している。CD化されるときに、未発表音源が加えられてコンプリートになっているし、自分でも持っている。でも長年レコードで聴いていると、ついレコードで聴きたくなってしまう。昔よりも好みの音で鳴っているのを確認して、ニンマリする。これはオーディオ好きの特権なのだ。

演奏はもう何度もくり返して演奏してきた彼らだけに、すっかり手慣れた感じで披露している曲もあるし、「ジャンゴ」のように果敢に攻めている曲もある。すっかり完成形になってしまって緊張感が失われているとも言えるけど、MJQのレコードで何か一枚と言われたら、これになるのだろうか。録音も楽器のバランスが良く取れており、この時代のライヴ盤としては優秀だと思う。(The Last Concert / The Modern Jazz Quartet   Atlantic 1974)
タグ:ATLANTIC
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2022年10月11日

ジャズ・ヴァイオリン・セッション / デューク・エリントン   CD

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クインのマスターからいただいた一枚。メンバーはデューク・エリントン(p)、アーニー・シェパード(b)、サム・ウッドヤード(ds)に、曲によってはラッセル・プロコープ(as)、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、バスター・クーパー(tb)、ビリー・ストレイホーン(p)が加わる。このバンドでステファン・グラッペリとレイ・ナンスのヴァイオリン、スヴェンド・アスムッセンのヴィオラがソロを奏でるという、実に力の入ったセッションなのだ。ジャンゴ・ラインハルト(g)と永らく共演していたグラッペリがやはり、流麗な演奏を聴かせてくれる。ナンスはトランペットからの持ち替え、アスムッセンは本業がヴァイオリンで分が悪いとも言えるけど、それぞれに持ち味を活かした演奏のように聴こえる。高音がシャリシャリした録音で、トーンコントロールで絞ってやると、聴きやすくなる。(Jazz Violin Session / Duke Ellington   1976)
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2022年09月19日

エアー・ソング / AIR     LP

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「AIR」とは、ヘンリー・スレッギル(as, ts, bs, fl)、フレッド・ホプキンス(b)、スティーヴ・マッコール(ds)からなるグループ。リズム隊の二人は、デヴィッド・マレイ(ts)との共演でもおなじみだ。あり余るエネルギーで吹きまくるマレイのアルバムよりも、うんとソロのスペースが取られているので、彼らのプレイも堪能できる。とくにマッコールは瞬発力、爆発力を感じるプレイで、こんな凄いドラマーだったとは知らなかった。ニューヨークのロフト・ジャズ・シーン、すなわち商業ベースに乗った「フュージョン」には背を向けて、あくまでシリアスなジャズを探求した人たちの記念碑的な作品だ。(AIR Song  1975 Whynot)
タグ:Whynot
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2022年08月10日

コモン・コーズ / アッティラ・ゾラー    LP

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アッティラ・ゾラー(1927〜1997)はハンガリー生まれで、ジプシーの流れをくんでいる人らしい。第二次大戦後、ソ連の支配下にあったハンガリーから歩いてオーストリアに逃れ、ドイツで活動を続けていた。1959年にアメリカに移住してからはギターを教えながらプレイしていたので、「パット・メセニーの先生」としても知られる。

このレコードはロン・カーター(b)、ジョー・チェンバース(ds)と組んだギター・トリオで、6曲中5曲がゾラ―によるオリジナル曲。おそらくはGibson ES-335系のギターで、ソリッドでタイトな音色は一貫している。ひけらかしはしないけど、恐ろしいくらいのテクニシャン。つい「ジプシー」を連想してしまうようなもの悲しいフレーズもあるし、切れ込みも鋭い。ロン・カーターは調子に乗らずに?実に良いベースを弾いているし、チェンバースの良く反応するドラムも聴きごたえがあると思う。(Common Cause / Attila Zoller   Enja 1979)
タグ:ENJA
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2022年07月27日

ソング・フォー・マイセルフ / 富樫雅彦     CD

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富樫雅彦は1970年に脊椎損傷となる事件に遭い、車椅子でパーカッションを演奏するようになった。ぼくはドラマー時代の富樫さんをもちろん知らないわけだけど、研ぎ澄まされた感覚に裏打ちされたパーカッションは一度聴くとクセになる。このアルバムは表題曲が富樫のソロ演奏、他に渡辺貞夫(fl)、佐藤允彦(p)、菊地雅章(p)と一曲ずつデュオで演奏している。半世紀前の録音だけど、いま聴いてもまったく古めかしくなっていないのは凄い。スピード感のある音で、録音も良いと思う。(Song For Myself / Masahiko Togashi   1974 East Wind)
タグ:East Wind
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