2022年09月19日

エアー・ソング / AIR     LP

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「AIR」とは、ヘンリー・スレッギル(as, ts, bs, fl)、フレッド・ホプキンス(b)、スティーヴ・マッコール(ds)からなるグループ。リズム隊の二人は、デヴィッド・マレイ(ts)との共演でもおなじみだ。あり余るエネルギーで吹きまくるマレイのアルバムよりも、うんとソロのスペースが取られているので、彼らのプレイも堪能できる。とくにマッコールは瞬発力、爆発力を感じるプレイで、こんな凄いドラマーだったとは知らなかった。ニューヨークのロフト・ジャズ・シーン、すなわち商業ベースに乗った「フュージョン」には背を向けて、あくまでシリアスなジャズを探求した人たちの記念碑的な作品だ。(AIR Song  1975 Whynot)
タグ:Whynot
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2022年08月10日

コモン・コーズ / アッティラ・ゾラー    LP

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アッティラ・ゾラー(1927〜1997)はハンガリー生まれで、ジプシーの流れをくんでいる人らしい。第二次大戦後、ソ連の支配下にあったハンガリーから歩いてオーストリアに逃れ、ドイツで活動を続けていた。1959年にアメリカに移住してからはギターを教えながらプレイしていたので、「パット・メセニーの先生」としても知られる。

このレコードはロン・カーター(b)、ジョー・チェンバース(ds)と組んだギター・トリオで、6曲中5曲がゾラ―によるオリジナル曲。おそらくはGibson ES-335系のギターで、ソリッドでタイトな音色は一貫している。ひけらかしはしないけど、恐ろしいくらいのテクニシャン。つい「ジプシー」を連想してしまうようなもの悲しいフレーズもあるし、切れ込みも鋭い。ロン・カーターは調子に乗らずに?実に良いベースを弾いているし、チェンバースの良く反応するドラムも聴きごたえがあると思う。(Common Cause / Attila Zoller   Enja 1979)
タグ:ENJA
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2022年07月27日

ソング・フォー・マイセルフ / 富樫雅彦     CD

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富樫雅彦は1970年に脊椎損傷となる事件に遭い、車椅子でパーカッションを演奏するようになった。ぼくはドラマー時代の富樫さんをもちろん知らないわけだけど、研ぎ澄まされた感覚に裏打ちされたパーカッションは一度聴くとクセになる。このアルバムは表題曲が富樫のソロ演奏、他に渡辺貞夫(fl)、佐藤允彦(p)、菊地雅章(p)と一曲ずつデュオで演奏している。半世紀前の録音だけど、いま聴いてもまったく古めかしくなっていないのは凄い。スピード感のある音で、録音も良いと思う。(Song For Myself / Masahiko Togashi   1974 East Wind)
タグ:East Wind
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2022年06月20日

イン・アンティーブ / ハンニバル・マーヴィン・ピーターソン    CD

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マーヴィン・チャールズ・ピーターソンはライヴハウスに出演中、見ず知らずの男から「お前はハンニバルだ」と告げられて、その通りに改名してしまった。ハンニバルとは紀元前にローマ帝国からも恐れられたカルタゴの猛将で、象に乗って敵を蹴散らしたという。図太い音色とハイノート、循環呼吸で容赦なく吹きまくるスタイルは、「ハンニバル」に相応しい。「フュージョン」全盛だった時代に、こんなに熱いジャズをリリースしているところからして、尋常ではない。

つきあっているのはジョージ・アダムス(ts, fl)、ディドル・マレイ(cello)、スティーヴ・ニール(b)、マカヤ・ンショコ(ds)。アナログ時代だったらLPの片面に一曲ずつという、コルトレーンの衣鉢を継ぐような呪術的なモード奏法。ジョージ・アダムスは粘っこく暑苦しく迫り、ンショコは異能のポリリズムを叩き出し、マレイは摩訶不思議を創り出して、ニールは突っ込みながら支え続ける。全員が良い仕事をしているし、元気をもらえる。(Hannibal In Antibes / Hannibal Marvin Peterson   1977 Enja)
タグ:ENJA
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2022年05月15日

ダイアリー / ラルフ・タウナー    LP

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ECMからリリースされた、ラルフ・タウナーの二枚目のアルバム。6弦のクラシック・ギター、12弦ギター、ピアノ、パーカッションによる演奏で、多重録音も使われている。浮き上ってくるのはタウナーが、とても優れた作曲家であるということだ。おそらくタウナーのアイデンティティは作曲家にあって、ECMでの諸作品やグループ「オレゴン」の活動は、自作曲のプレゼンテーションではないだろうか。

トリオレコードのLPには、故野口久光先生のライナーノートがついている。「彼が従来の一般的な常識、通念によるジャズの形式、演奏方法にこだわっていないこと、ジャズもまたクラッシック系の現代音楽、広義のコンテンポラリー・ミュージックの一翼を担うべきものだという発想、姿勢、演奏行為から生み出された音楽であるということである」−−その後の50年間のタウナーの軌跡をながめると、まさにその通りだと思う。野口先生の慧眼、畏るべしというべきだろう。(Diary / Ralph Towner   1973 ECM)
タグ:ECM
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