2022年07月12日

ワーデル・グレイ・メモリアル・アルバム vol. 1

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1949年、1950年、1953年の3つのセッションから収録されている。つきあっているメンバーはフランク・モーガン(as)、アル・ヘイグ(p)、ソニー・クラーク(p)、テディ・チャールズ(vib)、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(ds)の他、知らない人たちも混じっている。ワーデル・グレイのテナー・サックスはレスター・ヤングの影響を色濃く受けているにしても、バップ・イディオムを吸収して自己のスタイルを築いている。フレーズがどうこう言う以前に鳴りが豊かで、相当にデカイ音だったのではないかと思う。バラードの「イージー・リヴィング」は絶品。(Wardell Gray Memorial Album vol. 1 1949〜1953 Avid Jazz)
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2022年07月02日

ラウンド・アバウト・ミッドナイト・アット・ザ・カフェ・ボヘミア / ケニー・ドーハム      LP

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ケニー・ドーハム(tp, 1924〜1972)はアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを退団して、「ジャズ・プロフェッツ」を結成した。ところが旗上げした直後にクリフォード・ブラウンが交通事故で亡くなってしまい、困り果てていたマックス・ローチのために一肌脱ぐことになった。よってこのグループの録音は、スタジオ盤とこのライヴ盤が一枚ずつになってしまった。当初はジャッキー・マクリーン(as)が参加するはずだったが、バンマスのチャールス・ミンガスに殴られて歯を折ってしまい、J. R. モンテローズ(ts)になったということだ。色々な偶然が重なってこの面子になったし、すぐに惚れこんだアルフレッド・ライオンが録音機材をライヴハウスに持ち込んでくれたので、この奇跡の一枚が生まれたということになる。

当時のジャズ・トランぺッターはディジー・ガレスピーのスタイルをいかにモノにして、その上で自分のスタイルを作れるかに腐心していたと思う。マイルス・デイヴィスは1オクターブ低く吹くことはできたけど、ハイノートでハネるようには吹けなかった。それで音数を減らして、ミュートを多用するスタイルを作っていったのだと思う。ドーハムはファットな音色を活かして、訴えかけるような、じっくり聴かせるスタイルだ。「ラウンド・ミッドナイト」はマイルスの演奏が有名だけど、ドーハムも良い味を出していると思う。

メンバーはドーハムの他、J. R. モンテローズ(ts)、ケニー・バレル(g)、ボビー・ティモンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アーサー・エッジヒル(ds)と、当時のアクが強い系ハード・バップのオールスター・メンバーと言って良いだろう。ドーハムのペット以上に泥臭いブルーズを感じさせる、モンテローズとバレル。ティモンズは軽やかなファンキーで、イカしている。ジョーンズの粘っこいベースに、エッジヒルのキレの良いドラムと、この面子で長続きしたら名盤を連発したのではないかと思ってしまう。まあこの一枚で十分、なのかもしれないけど。('Round About Midnight At The Cafe Bohemia / Kenny Dorham  1956 Blue Note)
タグ:BLUE NOTE
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2022年06月22日

ザ・チェイス / ワーデル・グレイ     CD

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ワーデル・グレイ(ts, 1921〜1955)は西海岸で活躍していたが、1955年にラスベガスのムーラン・ルージュホテルの開業に合わせて、ベニー・カーターに雇われた。リハーサルには顔を出したけど、本番には姿を見せず、砂漠の端っこで首の骨が折れた死体で発見された。麻薬パーティーでラリったまま死んでしまい、警察と関わるのを恐れた仲間が遺体を砂漠まで運んだのが真相らしい。長生きしていたらジャズの世界も変わったかもしれない、Avid Jazz の Four Classic Albums Plus にはワーデル・グレイのアルバムが4枚と、ボーナス・トラックが3曲収録されている。

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「ザ・チェイス」は、デクスター・ゴードン(ts)とのテナー・バトルを存分に楽しめることで名高いライヴ録音。二人の他にはコンテ・カンドリ(tp)、ボビー・タッカー(p)、ドン・バグリー(b)、チコ・ハミルトン(ds)がつき合っている。大らかでゆったりしたゴードンと、繊細なニュアンスを聴かせるグレイは好対照で、聴衆も楽しんでいるのがうかがわれる。ゴードン作の「ザ・チェイス」とチャーリー・パーカー作の「ザ・スティープル・チェイス」の2曲しかないのも、伝説の録音っぽくて良い。(The Chase And The Steeple Chase / Wardell Gray Avid Jazz 1952)

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2022年06月18日

プレクトリスト / ビリー・バウアー     LP

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ネクタイを締めて学校の先生のような風貌のギタリスト、ビリー・バウアーはレニー・トリスターノ(p)の門下だった。このリーダー作でつきあっているのは、アンドリュー・アッカーズ(p)、ミルト・ヒントン(b)、オジー・ジョンソン(ds)で、バウアーはトリスターノ風の味つけを控えめにして、チャーリー・クリスチャンの流れをくむオーソドックスなジャズ・ギターを弾こうとしている。弾こうとしているんだけど、ハジけないというか、スイングしないというか、あんまし楽しい気分にならないのだ。

名盤と言われているレコードだけど、失礼ながらどこが良いのかよく分からん。ライナーノートには「コードワークが巧み」とあるけど、左手はともかく、「デレ〜ン」と粘るような右手の使い方はちょっと苦手だ。バウアーは教職についたり、ジャズ・クラブを経営していたこともあり、バンバン録音を重ねた人ではない。トリスターノ門下のギタリストが遺したリーダー作ということで、希少価値ゆえに珍重されたのではないかと思ってしまう。(Plectrist / Billy Bauer  Norgran 1956)
タグ:VERVE
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2022年06月15日

マイルス・アヘッド / マイルス・デイヴィス     CD

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マイルスとギル・エヴァンスとのコラボレーションでコロンビアに吹き込んだのは、これが第一作目になる。総勢19人の吹奏楽団をバックにして、マイルスはミュートをつけずに、伸びやかで哀愁をたたえたオープンのトランペットを聴かせる。バックで吹いている人たちの方がキレやアタックを感じさせるので、「何でこの人がソロを長々と吹いてるの?」と思う人がいるかもしれない。

ギル・エヴァンスも若くて音楽性を追求するあまり、ジャズの楽しさを忘れているようだ。まだジャズを「騒々しいだけの音楽」ととらえる人が多かった時代に、クラシックの協奏曲と同じレベルの作品をものにしようとしていたのかもしれない。やはり後年の「ファンキー爺さん」みたいには、いかないのだ。それでも新しい地平を切り開いたという点において、歴史に残る名盤だと思う。ぼくが持っているのはボックスセットに収められたステレオ盤で、モノラルよりは臨場感があるし、全体としても鮮明だ。(Miles Ahead / Miles Davis & Gil Evans   1957 Columbia)
タグ:Columbia
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