2022年05月18日

ユー・ゲット・モア・バウンス・ウィズ・カーティス・カウンス     CD

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若い女医さん?が胸に聴診器をあてて、恍惚の表情を浮かべる……って、かなりワケのわからんデザインだ。死にかけていたお婆さんが「おお、生きてるぞいっ」だったらまだ分かるけど、そんなの誰も見たくないだろうしなあ……とか下らないことを考えてしまう。もっとマトモなタイトルとジャケットだったら、「ウェスト・コースト・ジャズの傑作」として日本のファンに愛されていただろうにと残念だ。

カーティス・カウンス(b)の他には、ハロルド・ランド(ts)、ジャック・シェルドン(tp)、カール・パーキンス(p)、フランク・バトラー(ds)と、名手がそろっている。出だしからありきたりではなく、シンバルの強烈な一閃で始まる。マイナー・レーベルにリーダー作を吹込んで夭折した、パーキンスをたっぷり聴けるのは嬉しい。この人はロカビリーの歌手と同姓同名で、子ども時代に事故で左腕の自由を失ったが、絶妙なコンピングのスタイルを作り上げた。ランドは良くスイングするし、安定感も抜群だ。シェルドンはこれほどの切れ味があるのに、なぜゆえコメディアンみたいなことを熱心にやっていたのか不思議。バトラーの小気味良くスイングするドラムは心地良い。リーダーのカウンスが一番目立たないのだけれど、全体に目配せをしながら安全運航に努めていて、これぞベーシストの鑑と言えるだろう。(You Get More Bounce With Curtis Counce / Curtis Counce Group   1957 Avid Jazz)
タグ:contemporary
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2022年05月09日

コラボレーション・ウェスト / テディ・チャールズ     CD

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カーティス・カウンス(1926〜1963)は、ウェスト・コーストではリロイ・ヴィネガーとならぶベース奏者だった。ニューヨークにいなかったこと、ソロを取らなかったこと、そして何より早死にしたことで、いまや名前が残っていない名手になってしまった。Avid Jazzの2枚組シリーズは、こういう人も取り上げてくれていて嬉しい。

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アルバム4枚が2枚組のCDに収まっているシリーズで、その始まりからして本人名義ではない。テディ・チャールズ(vib)、ショーティー・ロジャース(tp)、ジミー・ジュフリー(ts, bs)、シェリー・マン(ds)と一緒に吹込んでいる。1曲だけショーティー・ロジャースの曲が取り上げられているが、あとの6曲はテディ・チャールズの自作曲だ。いずれも一筋縄ではいかない、コムズカシイ曲なんだけれども、それでスイングしようというのだから、困った人だ。

テディ・チャールズという人は実験的な音楽をやっていたので人気がないけど、強靭な打鍵と疾走するフレーズからは、非常なテクニシャンだったことが推測される。ショーティー・ロジャースも切れ味の鋭いプレイを披露しており、こんなに巧い人だとは知らなんだ。シェリー・マンのスティック(ブラシやマレットではなく)も、冴えわたっている。肝心のカウンスの音が控えめなのがちと残念だが、堅実なプレイでソロを支えている。このアルバムはほとんど世に知られていないようで、何とか陽の目を見せてやろうという心意気で収録されたのではないだろうか。(Collaboration / Teddy Charles  1953 Avid Jazz)
タグ:PRESTIGE
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2022年05月02日

スインギン・ザ・トゥエンティーズ / ベニー・カーター    CD 

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ベニー・カーターはビッグバンドを率いて、作編曲もお手のものだったし、あらゆる楽器を演奏できたマルチプレイヤーだった。ウィキペディアに間違いがなければ、72歳で結婚して95歳で逝去というのも凄い。これは1920年代のウォール街のショウで演奏された音楽、「君はすてき」や「私の青空」などの名曲を、ワンホーンのクァルテットでスイングしようというアルバム。

カーターのアルトサックスは突き抜けるような明るさで晴れがましく、ミュートをつけたトランペットはちょっともの悲しく、感情表現の幅が広い。名手アール・ハインズのピアノが聴けるのも嬉しいし、リロイ・ヴィネカー(b)、シェリー・マン(ds)とリズム隊も最強。ロイ・デュナンの録音も、くっきりと鮮度が高い。みんな良い仕事をしている、大名盤だと思うけど、いまはあまり聴かれていないようだ。これからジャズを聴いてみようという人にも、お勧め。(Swingin' The 20s Wall Street Lays An Egg / The Benny Carter Quartet   1958 Contemporary)
タグ:contemporary
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2022年04月20日

プレンティ、プレンティ、ソウル / ミルト・ジャクソン    CD

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ミルト・ジャクソン(vib)とホレス・シルヴァー(p)は共通していて、A面が5管のナインテットでドラマーがアート・ブレイキー、B面が2管のセクステットでドラマーはコニー・ケイ。アレンジはクインシー・ジョーンズが担当しており、プレイヤーの自由に任せている部分が大きいので、とても気持ち良く聴ける。A面はブレイキーにケツをひっ叩かれてムキになっているように聴こえるし、B面の方がくつろいでいるように聴こえるが、いずれMJQでの演奏よりもソウルフルだ。演奏は素晴らしいのだけれど、録音のバランスがいまひとつ。最終曲はマスター・テープの劣化かハサミでしくじったのか、一瞬だけど盛大なノイズが入る。(Plenty, Plenty Soul / Milt Jackson   Avid Jazz 1957)
タグ:ATLANTIC
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2022年04月18日

テレフンケン・ブルース / ミルト・ジャクソン   CD

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LPで発売されたときは、おそらくA面が1954年ハリウッドでのセッション、B面が1955年ニューヨークでのセッション。A面はフランク・モーガン(as)、ウォルター・ベントン(ts)をフロントにして、ミルト・ジャクソンはヴィブラフォンを弾いている。B面ではフランク・ウェス(ts, fl)、ヘンリー・コーカー(tb)、チャーリー・フォークス(bs)をフロントに、ピアノを弾いている。ちなみに「テレフンケン」はドイツの音響メーカーで、カバーにあるマイクの製造元だけど、「テレフンケンだから、どうだって言うんだ」は、ちょっと気になる。

うーん、彼のピアノをぜひとも聴きたいという人が、いたのだろうか。コンピングではコードをコテコテに弾くし、ソロも目を見張るような展開はないし、正直に申し上げてカネを払って聴きたいと思うようなピアノではない。ピアニストに声をかけるのを忘れたとか、ピアニストがラリって来なかったとか、ジャクソンがマレットを忘れてきちゃったとか、腰痛で楽器を運べなかったとか、ハプニングがあったのか。(Telefunken Blues / Milt Jackson   1955)
posted by あおのり at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1950年〜