2022年09月05日

ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー    LP

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「アート・ペッパーが戻って来た」のは、おそらくはムショ帰り。たしか自伝「ストレート・ライフ」にあったくだりでは、この写真を撮影したとき、離脱症状のためにやっと立っている有様だったらしい。麻薬というのは、本当に恐ろしいものだ。このアルバムはアート・ペッパー(as)の他は、ジャック・シェルドン(tp)、ラス・フリーマン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)と、西海岸のオール・スター・クインテットとも言うべき顔ぶれだ。ペッパーの体調は万全ではなかったかもしれないど、シェルドンのトランペットに吹き負けることもないし、「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」ではワン・ホーンでじっくりバラードを聴かせる。ラテンナンバー「マンボ・デ・ラ・ピンタ」は好演で、ブルーズが2曲入っているのも良い。

ジャケットの裏面には「audio GRAPHIC」とあり、20〜20,000Hzのレンジを確保しているとある。いまでいうハイレゾなのかもしれないが、当時からこんなにワイドレンジ志向があったとは、ちょっと驚く。でもそんなにワイドレンジなマイクがあったのかどうか、疑問にも思う。ハリウッドのキャピタルスタジオで、録音エンジニアは、ジョン・クラウスという人だ。せっかくの「audio GRAPHC」だけど、コンテンポラリーでロイ・デュナンが録音したレコードと比べると、クリアネスで一歩及ばないようだ。(The Return Of Art Pepper  Jazz West 1956)
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2022年08月30日

ア・ブローイング・セッション / ジョニー・グリフィン     LP

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ヒッチコックの映画「鳥」を思い出してしまうようなジャケットだけど、「鳥」よりは数年早い録音である。ジョニー・グリフィン(ts)とソロを競うのはハンク・モブレー(ts)となんとジョン・コルトレーン(ts)、おっとリー・モーガン(tp)。リズム隊はウィントン・ケリー(p)にポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)のオール・スターズだ。特殊仕様のマウスピースを吹きこなし、「太い」「速い」「でかい」の三拍子そろった「リトル・ジャイアント」が本領を発揮したアルバム。吹き始めるともう止まれないグリフィンに苦笑いして、みんなで花を添えるような微笑ましさを感じる。(A Blowing Session / Johnny Griffin   1957 Blue Note)
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2022年08月26日

オール・カインズ・オブ・ウェザー / レッド・ガーランド     CD

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冒頭の「Rain」から「Summertime」、「Stormy Weather」と、天候にまつわる曲で占められた企画盤。つきあっているのはポール・チェンバース(b)とアート・テイラー(ds)。前作の「グルーヴィー」よりは、ハードバッパーとしてのガーランドを楽しめる。アート・テイラーのブラシも冴えているし、このトリオは安定している。(All Kinds Of Weather / Red Garland   1958 Avid Jazz)
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2022年08月23日

ソニー・クラーク・クインテッツ       CD

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「クール・ストラッティン」はアート・ファーマー(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)で吹き込まれたが、そのセッションから2曲。ホーンの二人がクリフォード・ジョーダン(ts)とケニー・バレル(g)に替わり、ドラムがピート・ラロカに替わったセッションから3曲が選ばれている。つまりは二つのクインテットで、「1592」の番号も決まってカタログにも掲載されていたのに、未発売のまま終わった「幻の名盤」だった。

というのも「クール・ストラッティン」では、わずか500枚のオリジナル・プレスを売るのにも、アルフレッド・ライオン氏は相当に苦労したそうだ。いくら内容に自負はあっても、さっさと売り切って次のレコードを作らなくてはいけないブルーノートとしては、出すわけにいかなかったのだろう。まさに、自転車操業だ。レコードで言えばB面のケニー・バレルが入ったセッションも捨てがたく、とくに「イースタン・インシデント」の飄々とした味わいは秀逸だ。(Sonny Clark Quintets  1957,1958 Blue Note)
タグ:BLUE NOTE
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2022年08月22日

グルーヴィー / レッド・ガーランド    CD

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こんなにカバーデザインで得をしたレコードは、そうないと思う。レッド・ガーランド(p)と組んだのはポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)と手練れのピアノ・トリオだし、曲も演奏も十分に良いと思う。だけど「世紀の大名盤」みたいな扱われ方をされるくらいでは、ない。何と言っても冒頭の「Cジャム・ブルース」が有名なんだけど、ちょっとリラックスして軽く弾くのは彼本来の姿とは違うのではないだろうか。

ちなみに、昔の国内盤のレコード(ジャケットの裏面が英文のライナーノートじゃなくて、日本語のもの)と聴き比べてみた。このCDの方がクリアで演奏が良く見えるし、とくにベースの音はくっきり芯が通っている。オリジナル盤を持ち出せばどうなるかは分からないけど、アナログレコードだからと言ってむやみにありがたがる必要はないと思う。(Groovy / Red Garland   Avid Jazz 1957)
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