2022年01月10日

アイランズ / キング・クリムゾン   LP

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ボズ・バレルがヴォーカリストとしてキング・クリムゾンに加入した時点では、ベーシストが不在だった。ボズがベースで遊んでいるのを見たロバート・フリップ(g)が弾き方を教えて、ベース兼任になった。クリムゾンはロバート・フリップが小難しいことを追い求めるのでメンバーとの確執が絶えず、ボズもこの一枚で脱退した。バッド・カンパニーにはベーシストとして参加、その後はフレットレス・ベースを弾きこなしてジャズにのめり込んだ。生まれながらにしてのミュージシャンという感じの人だ。

そのボズがしみじみと歌うラストの「アイランズ」は、これまた異能のピート・シンフィールドが詩を書いており、この一曲を聴くために持っていてもよいアルバムだ。メンバーだったメル・コリンズ(fl, reeds)、イアン・ウォーレス(ds)の他に、キース・ティペット(p)やマーク・チャリグ(cor)などのゲストも参加して彩りを添えている。よく練って作られたアルバムだと思う。頂点はインストゥルメンタルの「船乗りの語」で、フリップが珍しくギターを弾きまくっている。静謐と爆発、安寧と狂気が同居しており、ユーモアも感じられる。(Islands / King Crimson   1971 Atlantic)
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2021年12月24日

ホット・ストリート / シカゴ     CD

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テリー・キャス(g, vo)の事故死で解散するかに見えたシカゴは、ドニー・デイカスをギタリストに迎えて再スタートを切った。それでロゴマークと「Ⅻ」の表示をやめて、アルバム・タイトルをつけている。ポップなロックとして出来が悪いわけではないけど、どうということもない。「あ〜、終わっちゃったな」と思う人がいても不思議ではない。

ちなみにデイカスはスティーヴン・スティルスのサポートを務めた腕達者で、ヴォーカルもいけるしルックスも良かったけど、態度が悪くて1年でクビになった。その後も問題のあるメンバーを解雇したり、勝手な要求bを押しつけて来るレコード会社からは移籍したり、何だかんだ言いながらアルバムを出し続けたシカゴは実に勤勉なバンドだったと言える。(Hot Streets / Chicago   1979)
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2021年12月15日

シカゴⅪ     CD

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このアルバムを録音した後に、バンドにとって大きな出来ごとが二つあった。まずオリジナル・メンバーのテリー・キャス(g, vo)が酔っぱらって友人とロシアン・ルーレットの真似事をして亡くなってしまう。「大丈夫さ、まだ弾は入ってないんだろ」が最後の言葉だった、また結成から録音とツァーで搾取しまくっていた吸血鬼プロデューサーのガルシアを解雇している。アルバムにはご無沙汰だった政治的メッセージも入っているし、「俺をシカゴに連れ戻してくれ」と歌う曲もあり、彼らは原点回帰を願っていたのかもしれない。出来栄えは前作をはるかに上回っており、テリー・キャスは「Littele One」で「音楽は僕の人生だ」と歌い上げている、それがせめての救いだ。(Chicago 11   1977)
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2021年12月02日

シカゴ](カリブの旋風)   CD

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前作の「シカゴ\」はベスト・アルバムだった。そこで御破算にして何か画期的なことをしているかと思うと、すっかりポップ・グループになっていた。「愛ある別れ」は大ヒット曲でさすがに出来は良いと思うけど、無難にトラックを埋めている感じで印象が薄い。彼らも「シカゴ」を維持しなくては「ならない」し、ベトナム戦争も75年に終わって、「反体制」を掲げる時期は終わったのだろう。(Chicago]  1976)
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2021年11月12日

シカゴ[(未だ見ぬアメリカ)   CD

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8作目から、ゲスト参加していたパーカッションが正式メンバーになり、シカゴは8人体制になった。そうかと言ってコンガをポンポコやってラテン調になるかと思えばそうでもなく、ブリティッシュ・ハードロック調の曲もある。1枚もののシングル・アルバムで、全弁での売り上げがトップになったらしい。ソツなくこなす、産業ロックの匂いが漂い始める。6曲目の「拝啓トルーマン大統領」は真意か皮肉か分からないが、「いまのアメリカは<良いか悪いかをはっきり言う>あなたを必要としている、戻って来てください」と爽やかに歌い上げる。

ちなみにトルーマンは白人至上主義のK.K.K.に関わり、CIAを創設した。日本に対しては、死に体だったのに原爆や大量の焼夷弾を落とし、「サルを飼いならして奉仕させる」愚民化政策を推し進めた、ヒトラーやスターリとならぶ狂人だ。その愚民化政策は脈々と受け継がれ、政治に無関心で低俗番組に熱中するオトナや、無邪気に「アベちゃん」などと言う若者を生み出している。
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