
イエスの「こわれもの」は1971年で、「危機」が1974年のリリース。ピンク・フロイドの「狂気」と同じ1973にリリースされた、後期キング・クリムゾンのファースト・アルバムだ。イエスが構成美を追求していたのに対し、即興によるインタープレイや、ジョン・ウェットン(b)のハスキーなヴォーカル、デヴィッド・クロスのヴァイオリンなど、抒情性が前面に出ている。高校生のときはメロディアスなA面を喜んで聴いていたけど、本当にすごいのはハードでタイトなB面だ。アルバムを通してロバート・フリップのギターはキレまくっているし、イエスを脱退して参加したビル・ブルーフォードのドラムも変拍子も決まっている。「クリムゾンキングの宮殿」から「レッド」に至るまでの強力な布石でもあるが、「危機」や「狂気」と並ぶ名盤と言えるだろう。