2022年09月18日

19 ソロ・コンポジションズ 1988 / アンソニー・ブラクストン    CD

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「カモメのチック」は有名だけど、「カモメのブラクストン」と称されることなく忘れ去られるのだろう。写真から飛行技術の探求に生きた「カモメのジョナサン」を思い浮かべるし、物語とブラクストンの生き方が重なって見えて来る。アルト・サックス一本だけで17の自作曲と2つのスタンダードを演奏したこのアルバムは、マサチューセッツ工科大学でのライヴを中心に構成されており、聴き飽きることがない。突っ走るような、むせび泣くような、途方に暮れるような、さまざまな表現を聴いているうちに、「ひとりでも大丈夫さ!」と孤独が癒される。(19 [SOLO] Compositions, 1988 / Anthony Braxton  Fantasy)

タグ:FANTASY
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2022年07月19日

クエスト / デイヴ・リーブマン      LP

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デイヴ・リーブマン(ss)とリッチー・バイラーク(p)のコンビに、ジョージ・ムラーツ(b)とアル・フォスター(ds)が加わったグループが「クエスト」だった。日本のトリオ・レコードが主導したのか、長続きしなかったけど、素晴らしい録音を残している。スタンダード曲は「朝日のようにさわやかに」だけで、他はバイラークのおなじみ「エルム」などのオリジナル曲、なんとオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」も取り上げている。

ここでのリーブマンもテナーの持ち替えとしてではなくて、もっぱらソプラノを吹いている(「ロンリー・ウーマン」はアルト・フルート)。ソプラノ・サックスは持ち運びは楽だけど、鳴らすのは難しい。ぼくなんかが吹くとチャルメラになってしまう。モリモリした逞しい音でここまで多彩な表現をするのは、並大抵ではないと思う。バイラークのピアノも好調だし、ムラーツのサポート、とくにアルコは至芸だ。フォスターは単細胞のファンク野郎、じゃなかった。静かなグルーヴと、神速のインタープレイは称賛されるべきだろう。(Quest / Dave Liebman Richie Beirach George Mraz Al Foster   1982 Trio Records)
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2022年07月08日

ウェイファーラー / ヤン・ガルバレク    CD

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ヤン・ガルバレク(ts, ss)、ビル・フリゼール(g)、エバーハルト・ウェーバー(b)、マイケル・ディパスカ(ds, per)による作品。フリゼールのギターはふわふわ浮いているだけではなくて、アグレッシヴに切り込んで来る。ディストーションも良い感じでかかったりして、素晴らしい。ガルバレクのソプラノ・サックスとユニゾンで展開されると、やかましく感じることもある。でもやかましいのは最初のうちだけで、何回も聴いているうちにこれがまたクセになる感じで良かったりもする。だんだんに味が出るスルメ盤だ。(Wayferer / Jan Garbarek  1983 ECM)
タグ:ECM
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2022年02月22日

スタンダーズ vol.1 / キース・ジャレット    LP

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キース・ジャレットはごく限られた人としか、共演していない。ヨーロッパ・クァルテット別にすれば、ベースはチャーリー・ヘイデンかゲイリー・ピーコック、ドラムはポール・モチアンかジャック・デジョネットだ。管楽器ではデューイ・レッドマン(ts)という御しがたい不思議ちゃんと何枚もレコードを作った。キースのピアノ・トリオをもっと聴きたいというファンは、沢山いたはずだ。だからピーコックとデジョネットと組んだこのアルバムが出たときは、インパクトがあった……にしても、何十枚もの録音を残すことになろうとは、当時はだれも想像していなかった。

あまり知られていない曲を取り上げたかと思えば、手垢のついた曲はだれも聴いたことがないように演奏する。ときにはキースの自作曲も演るし、フリーでも演奏する。同じメンバーで何十年も続いたのは、三人の演奏力の高さとコンビネーションだろう。15分に及ぶジャズ・ロック調の「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」も、実に良いなあと思って聴ける。(Standards, Vol. 1 / Keith Jarrett   1983 ECM)
タグ:ECM
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2022年01月18日

リール・ライフ / ソニー・ロリンズ    LP

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40年前の池袋のジャズ喫茶。ロリンズを追いかけてきたマスターは、新譜をかけてしばらくしたら、「迷いの時期かな」とつぶやいた。その通りに中途半端なこのアルバムは、今では見向きもされないだろう。でもロリンズの生き方がそのまま出ているようなアルバムで、ぼくは針を落としたくなる。メンバーはわれらが増尾好秋(g)、ボビー・ブルーム(g)、ボブ・クランショウ(el-b)、ジャック・デジョネット(ds)で、みんなロリンズが大好きなんだろうと思う。古女房のクランショウがエレベに持ち替えたのは腰痛のためらしいが、粘っこいビートを感じるスタイルで悪くない。(Reel Life / Sonny Rollins   1982 Milestone)
タグ:MILESTONE
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