2022年04月07日

ワルツ・ブルー・サイド / スティーヴ・キューン    CD

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同じ選曲でホットな「赤盤」とクールな「青盤」を制作するという企画で、これは青盤にあたる。赤盤の方はエディ・ゴメス(b)が参加している。クインのマスターに、いただいた。スティーヴ・キューン(p)もライヴハウスでは、こんな演奏をしていたのだろう。ECM盤では聴けないような、普段着のジャズを聴くことができる。ゲイリー・ピーコック(b)も、まだ晩年の衰えを感じさせない頃の演奏で、音にしっかりと芯が通っている。ビリー・ドラモンド(ds)は「青盤」を意識しているのか、チャンジイを煽っては悪いと思ったのか、手数を減らして散りばめた変態ドラマーと化している。極端なオンマイクで、耳に刺さるような録音が残念。(Waltz -Blue Side / Steve Kuhn Trio   2002 Venus)
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2022年03月25日

シンク・タンク / パット・マルティーノ    CD

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パット・マルティーノ(g)、ジョー・ロヴァーノ(ts)、ゴンサロ・ルバルカバ(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、ルイス・ナッシュ(ds)とゴージャスなメンバーで、しかもブルー・ノートでのスタジオ録音。マルティーノも気合が入ろうというものだろう。コルトレーンへのオマージュもこめて、凝った作りになっている。

写真で見る限りでは黒のレス・ポール・カスタムを弾いているが、太い弦を張っているのかフルアコと言われても分からないくらいにファットな音色だ。ナッシュのドライヴと切れ味は名人芸だし、変態ベース・ラインでグイグイスイングするマクブライドもさすがで、ルバルカバも抑制を効かせて渋いピアノを弾いている。好みが分かれるのはそう、ロヴァーノのテナーだ。嫌いな人にしてみたら、「暗くて小難しくて、何を考えているんだか」ということになる。決めフレーズや手癖に頼らずに、音を探りながら吹いている感じで、ぼくは決して嫌いではない。Think Tank / Pat Martino  2003 Blue Note)
タグ:BLUE NOTE
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2022年03月19日

ワン・クワイエット・ナイト / パット・メセニー    CD

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カナダのギター製作家、リンダ・マンザーが作ったバリトン・ギターによるソロ・アルバム。カヴァーと自作曲を織り交ぜて、淡々と弾いている。キース・ジャレットの「マイ・ソング」も取り上げているが、パットらしく原曲のメロディを大事にしている。自宅でマイク1本で録音したと伝えられているが、それは「ワンポイント・ステレオ・マイク」だったのか、あるいはステレオに加工されたのか、音の広がりが不自然な印象を受ける。アンプのスイッチで「モノラル」に切り替えると奥行きも出るし、落ち着いて聴ける。文字通り静かに夜を過ごして、安らぎを得たいときに。(One Quiet Night / Pat Metheny  2003 Warner)
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2022年03月17日

ウェルカム・ホーム / ジャン・ミシェル・ピルク      CD

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ジャン・ミシェル・ピルク(p)は1961年に生まれ、27歳までロケットの研究者として過ごしてから、ミュージシャンとしてのキャリアを積んで来たフランス人。フランツ・ムタン(b)、アリ・ウニッグ(ds)と組んだピアノ・トリオは刺激的だ。と言うか、ちょっと刺激的過ぎる。全15曲のうち8曲はよく知られたスタンダード・ナンバーだけど、とにかく人と同じような演奏をしないことにこだわっているようだ。そのためにはアイデアもテクニックも要ることは想像がつくけど、結果的に楽しいとか美しいとか、聴く人が感じるかどうかはまた別問題。コワイモノミタサの人はどうぞ。(Welcome Home / Jean-Michel Trio    2001)
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2022年03月15日

インプレッションズ / ラリー・コリエル・オルガン・トリオ    CD

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ラリー・コリエル(1943〜2017)はロックの風をジャズに吹きこんで、フュージョン・ギタリストの草分けになった。圧倒的なテクニックを誇るというよりは、ミスピッキングなど気にせずに弾き倒す蛮勇ぶりが愛された人、ではないかと思っている。このアルバムはウェス・モンゴメリーへのオマージュという意図もあったとは思うが、オクターブ奏法を用いたりしてオーソドックスなスタイルで弾いている。サム・ヤエル(org)がベースをペダルではなく左手で弾いていること、コリエルのギターもピックアップの選択がリア寄りで線が細くなっていること、怪力のポール・ワーティコ(ds)が遠慮気味なこともあって、全体的にクリーンでシャープな音になっている。オルガン・トリオの魅力はルーズでファットなところだと思うので、ちょっと残念なアルバムだ。SACDとのハイブリッド盤で、録音はチェスキーらしく鮮明(……過ぎる?)だ。(Impressions / The Larry Coryell Organ Trio   2008 Chesky Records)
タグ:Chesky
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