
同じ選曲でホットな「赤盤」とクールな「青盤」を制作するという企画で、これは青盤にあたる。赤盤の方はエディ・ゴメス(b)が参加している。クインのマスターに、いただいた。スティーヴ・キューン(p)もライヴハウスでは、こんな演奏をしていたのだろう。ECM盤では聴けないような、普段着のジャズを聴くことができる。ゲイリー・ピーコック(b)も、まだ晩年の衰えを感じさせない頃の演奏で、音にしっかりと芯が通っている。ビリー・ドラモンド(ds)は「青盤」を意識しているのか、チャンジイを煽っては悪いと思ったのか、手数を減らして散りばめた変態ドラマーと化している。極端なオンマイクで、耳に刺さるような録音が残念。(Waltz -Blue Side / Steve Kuhn Trio 2002 Venus)