
アート・ランディ(p)は、「ルビサ・パトロール」というグループを作って活動していた。つきあっていたのはマーク・アイシャム(tp, flh, ss)、ビル・ダグラス(b, fl)、グレン・クロンハイト(ds, pec)の三人で、ECMには二枚のアルバムを残している。マーク・アイシャムという人はローリング・ストーンズやジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソンなどのアルバムにも参加しているが、映画音楽が本業でシンセサイザー奏者でもあり、1990年にはグラミーを受賞している。トランペットの澄んだ音色はローノートでも失われておらず、相当なテクニシャンだと思う。
定型的なジャズを足場にして、民族音楽を探索しているような感じだ。「ルビサ」は中近東を原住民とともに探検した、アルフォンス・ルビサからとられたそうだ。退屈に思う人はいるだろうけど、ハマる人はハマる。とくにお終いの「A Monk In His Simple Room」は言葉に尽くしがたい静寂と美を感じさせる演奏だと思う。録音はオスロのタレント・スタジオで、ECMらしい透明感と響きを感じさせる。(Rubisa Patrol / Art Lande 1976 ECM)
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