2022年07月20日

2022年8月号

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特集は「バックロードホーンスピーカーの世界」。かつて長岡教徒だったぼくは「ハイ・コスト・パフォーマンス」と「ゲテモノ音源」をモノにしてきたつもりだけど、バックロードホーンだけはいただけなかった。低音が別物のように鳴っている個体しか知らなかったし、いや音がどうこういう以前にかさばって置き場所に困るし、あれだけのものを作る根性もなかった。定期購読しているから手に取るようなものの、書店に買いに行くのだったら敬遠していたかもしれない。

ところがどっこい、読んでみるとけっこう面白い記事が多かった。まず力の入り具合が、並大抵ではない。編集長が「スーパースワン」の製作を、編集者の守屋氏に依頼。ここまでやる雑誌なのだ。長岡教の伝道師たる炭山アキラさんと、アンチ・バックロード派の試聴/対談、バックロードホーンの工房やジャズ喫茶の探訪も良かった。バックロードに関心がない人には、フィデリティムサウンドのNC7v2、横浜ベイサイドネットの15cm2ウェイパッシブキットなど、ニッチで面白そうな製品を取り上げている。フィデリティムはマークオーディオのユニットを無垢板のエンクロージャーに収めていて、ぼくが使っている Linfof Audio 製とはコンセプトが一緒だ。

「Stereo視聴室」では、国産の高級MCカートリッジが2機種、そしてラックスマンのアナログ・ターンテーブル、PD-151 MarkUが載っていて、アナログ・ブームは衰えていないようだ。ラックスマンのターンテーブルはトーンアームのメーカーが廃業すると聞いて、この際に買ってしまおうかどうか迷っていた。迷っているうちに手に入らなくなって、縁がなかったものとあきらめていたのが、アームがSAECに替わって10万円高くなった。ダストカバーに5万円、いまどきDIN規格のアームケーブルというのも萎える要素だ。いま使っているターンテーブルにとくに不満があるわけじゃないから、浮気するなってことだろう。

福田雅光さんの「オーディオの新常識」と、田中伊佐資さんの「ヴィニジャン」は、両方とも仮想アースを取り上げている。とくに「ヴィニジャン」の金井製作所のは、安価だし効果も絶大(そう感じさせる文章力もあるだろうけど)みたいなので、これは試してみたくなる人も多いのではないだろうか。

生形三郎さんの「夢の低音行脚」は、ダイヤトーンのエンジニアだった佐伯多門さんを訪問している。160cmウーハーって、こんなクレイジーなことを本気でやっていた人がいることに、まず驚く。これは神戸万博の三菱館で、ロケット発射音を再生するために開発されたのだとか。民生用として発売された80cmウーハーのD-80も写真が載っていたけど、こんな350Kgもある代物を購入した人が何人いたのだろうか? 世の中には凄いことをする人もいるもんだと思ったけど、こんなことをしていたからダメだったんだよなあ……と、ダイヤトーンの消滅を残念にも思うのだ。

個人的には、わが故郷の新潟県にある「ハセヒロオーディオ」が取り上げられたのがうれしい。工場の一角にある視聴室でていねいにもてなしてくださった社長さん、ホントに良い人です。横浜ベイサイドネットも新潟県に移転して、視聴室も充実させるらしい。ハードオフの紫竹山店も有名になってきたことだし、新潟のオーディオは盛り上がっているのかな。あのどんよりした冬の空、そして降り積もる雪……オーディオでもやっていないと気が滅入るからね。
【音楽之友社 月刊 stereoの最新記事】
posted by あおのり at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽之友社 月刊 stereo
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