
このCDボックスには、すでにベートーヴェンの一枚があった。他の作曲家を挟んで、最後にまたベートーヴェンというのは「これぞリヒテルの真骨頂」と編集者と思った結果なのかもしれない。ピアノ・ソナタ第10番、第17番「テンペスト」、第18番が収録されている。強弱のダイナミズムは健在だけど、剛腕で弾きまくるというよりは、軽やかさやお茶目な感じが出ていて楽しめる。
ふと思ったのは、ベートーヴェンはピアノのヴィルトゥーゾとしても高名で、ピアノという楽器の改革者でもあった。彼と同じくらいに弾けないと、作曲者の意図を汲み取れないということもあるのかもしれない。
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