
これがグラモフォンでのデビュー・アルバムで、弱冠22歳での録音だ。ショパンのソナタ第2番、スクリャービンのソナタ第2番(幻想ソナタ)、リストのソナタに、リゲティのエチュードを挟んで三人の対比を浮かび上がらせるという、音楽史的に考えられた構成になっていて、それは彼女の意向らしい。テクニックは素晴らしいけど、演奏にクセを感じさせないというか、天真爛漫なユジャそのまんまという感じだ。スクリャービンのピアノ・ソナタは美しい曲で、これを聴けるだけでも良かったと思わせる。(2009年)
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