
1973年の「フリー・ジャズ大祭〜インスピレーション・アンド・パワー 14」のステージの記録。「フリー・ジャズ大祭」は福島輝人氏がプロデューサーを務め、2週間に渡って開催された。いまではとても考えられないことで、高度成長による熱い時代、「未来」があった時代ということだろう。会場にいた男は長髪とヒゲ、女はやせっぽちのメガネだったと想像する。富樫のパーカッションも、佐藤のピアノも鋭い切れ込みだけど、実は楽器によるおしゃべりだと思う。インスピレーションとパワーを感じるのがご利益だ。カヴァー・アートの右下に「M.Togashi」の署名があり、富樫による描画とデザインのようだ。才能の塊のような人だったのか。(Soushou / Masahiko Togashi & Masahiko Satoh 1975 Art Union)