
往年の名器、SA600へのオマージュとされている。JBLの社長が一関の「ベイシー」に1号機を持ち込んで、菅原さんはJBLの「バロン」を鳴らしいてるそうだ。これがすごく良い音がするらしい。「ベイシー」は土蔵だから、何を鳴らしても良くなるかもしれないけど……。

SA600は、評論家の瀬川冬樹氏が愛用したことで有名。ゲルマニウム・トランジスタは熱変化に弱いらしいけど、実際はどうだったのだろう?
でもSA750の中身は、Arcam SA30らしい。これは薄型で、いかにもデジタル機器のデザインだ。

中身は新しいけど外観はレトロって「光岡自動車」みたいだけど、ただプッシュボタンが並んでいるよりは、ツマミの方が使い勝手が良さそうだ。大きさが手ごろで、重さが10kgちょっとというのもシニア層には嬉しい。いずれ、これ1台でネットワーク・プレイヤーとしても機能するし、DACはもちろんMC/MM対応のフォノイコライザーも積んでいる。マイクが付属していて、部屋の音響特性を計測して補正する回路まで入っている。アンプ部分はG級で120W、婚礼タンスのような大型のボザークも、平面型のマグネパンも、余裕で鳴らしてしまう。先輩は「もう、オーディオは止めます」と言われるので、すっかり満足しているようだ。かように「鮒釣り」に戻る人もいらっしゃるけれど、自分はどうしたいのか? 「あがり」を考えるのは、もうちょっと先にしたい。
SA750は限定生産ということだが、売れ行きは好調なのではないだろうか。JBLも気を良くして、「バロン」や「ヴァイカウント」にオマージュしたスピーカーを出すかもしれない。