2022年11月19日

CD88 メデテラニウム 東洋と西洋の間の中世即興世界 / アンサンブル・オニ・ヴィータルス

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これは楽しい。いきいきとした即興演奏を聴くことができる。録音もただ鮮明なだけではなく、空気感というか、自然な余韻が心地良い。オーニ・ヴィータルスは1983年に結成された古楽器アンサンブルで、13〜15世紀の地中海周辺の音楽を中心に、ルネッサンスや初期バロックまでをカバーしているとのこと。このアルバムでは民謡や作者不詳の作品が取り上げられており、使われている楽器や歌唱法もオリエンタル風味だ。「oni」は「鬼」で、「vytars」はヴァイタリティにつながる言葉なのか? こんな音楽を追求しているのはある意味、鬼ではあるけれど。(Mediterraneum / Ensemble Oni Wytars  2010 Deutsche Harmonia Mundi)
posted by あおのり at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Deutsche Harmonia Mundi

ラウンド・アバウト・ミッドナイト / マイルス・デイヴィス    LP

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マイルスは「ヒル野郎」のボブ・ワインストックのプレスティッジを離れて、大手のCBSレコードと契約することができた。バンドのメンバーは評判が良くなくて、コルトレーンなどは「何をやりたいのかわからない」とケチョンケチョンに言われていたし、レッド・ガーランドはボクサー上がりのカクテル・ピアニストだった。フィリー・ジョー・ジョーンズは大酒吞みで、ポール・チェンバースはおクスリに手を染めていた。ところがピアノ・トリオは「ザ・リズムセクション」と呼ばれて、コルトレーンはモリモリと吹けるようになっていくのだから、マイルスには先見の明があったということだろう。

表題曲の構成からして、変わっている。マイルスのミュート・トランペットは夜のしじまを切り裂くようにイントロからテーマを吹いて、アドリブのソロはコルトレーンに任せている。コルトレーンは後年のスタイルはまだないけど、バップ・フレーズからの脱却を目指しているのは伝わってくる。そして、テーマに戻らずに終わってしまう。1曲たりとも、漫然と演奏していない。ガーランドのピアノも絶妙な間合いでジャブを入れて来るから、ボクシングは生きているように思う。(Round About Midnight / Miles Davis   1956 CBS)
タグ:CBS
posted by あおのり at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1950年〜