
パリで一夜限りのトリオで演奏したセッション。アール・ハインズ(p)、ガイ・ペデルセン(b)、ガス・ヴァレス(ds)で、ベースとドラムは現地のミュージシャンと思われる。ハインズのピアノがモダンに感じられるのは、小節を飛び越えたフレーズにあるのかな、と感じる。四つ刻みに縛られないのだ。ピアノの伴奏をリズム隊が務めるスタイルで、ビル・エヴァンス・トリオのような丁々発止のせめぎ合いを聴くことはできない。上品に、軽やかに、ときにはお茶目に、興に任せて弾きまくるハインズのピアノに「古き良きアメリカ」を感じるのは、ぼくだけだろうか。(Paris One Night Stand / Earl Hines 1957 Avid Jazz)