2022年08月23日

ソニー・クラーク・クインテッツ       CD

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「クール・ストラッティン」はアート・ファーマー(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)で吹き込まれたが、そのセッションから2曲。ホーンの二人がクリフォード・ジョーダン(ts)とケニー・バレル(g)に替わり、ドラムがピート・ラロカに替わったセッションから3曲が選ばれている。つまりは二つのクインテットで、「1592」の番号も決まってカタログにも掲載されていたのに、未発売のまま終わった「幻の名盤」だった。

というのも「クール・ストラッティン」では、わずか500枚のオリジナル・プレスを売るのにも、アルフレッド・ライオン氏は相当に苦労したそうだ。いくら内容に自負はあっても、さっさと売り切って次のレコードを作らなくてはいけないブルーノートとしては、出すわけにいかなかったのだろう。まさに、自転車操業だ。レコードで言えばB面のケニー・バレルが入ったセッションも捨てがたく、とくに「イースタン・インシデント」の飄々とした味わいは秀逸だ。(Sonny Clark Quintets  1957,1958 Blue Note)
タグ:BLUE NOTE
posted by あおのり at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1950年〜

2022年9月号

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特集は「厳選! オーディオスポット巡礼」。コロナ禍による半導体不足や円安のために、オーディオ製品は在庫切れ、廃番、値上げの三拍子が続いている。新製品がゴロゴロ出て、ただそれを紹介していれば良い時代ではないということか。製品を紹介しても、買う段になってモノがないということもあり得る。編集する人たちも、ライターに足で稼いでもらうしかなくなっているのかもしれない。「巡礼もの」の次は、中古製品とか使いこなしとか、そのあたりになるのだろうか。
 
それでもあちこちのお店が紹介されると、遠方であっても「ここに行ってみたい」と思ってしまう。コロナ疲れでお出かけを欲しているのだろうけど、出かけようとすればコロナを気にせざるを得ないという有様で、いずれコロナに縛られているのだ。オーディオのおかげで居ながらにして音楽に浸れるのは、大いなる福音というべきであろう。「響」や「S」など盛岡のスポットや、ディープな昭和のオヤジにとってはディズニーランドとドンキを足して2で割ったような?三共無線が紹介されていたのは嬉しい。経営的には<「在庫」=「悪」>なのだろうけど、まず行ってごらんなさいよ、頭上から吹き下ろされる在庫の嵐にたじろぐこと請け合いだ。

奥州市の「half note」が閉店していたのは、記事を見て知った。素敵な建物でパラゴンを鳴らしていたけれど、ご苦労さまでした。ぼくは遠くて通うことはできなかったけど、何度かお世話になった。トシを取ってから行く場所がなくなるのは淋しいことで、「ここがなくなったら困る」というお店に通っている人は、売り上げに貢献するか、知人やネット民に紹介しまくるか、とにかく何かした方が良いと思う。「月刊 stereo」も同じことで、これがなくなったら淋しい人は、毎号欠かさず買った方が良いのだ。

「注目製品ファイル」はマッキントッシュのプリアンプ、クワドラルのトールボーイスピーカー、エディスクリエーションのスイッチングハブ、YBAのプリメインアンプとCDプレイヤー。マッキントッシュは取手やメーター(プリアンプに要るの?)、真空管の窓とか、アンティークな見た目にこだわっているようだ。素材や技術の裏づけ、あるいは使い勝手からかけ離れた、ただ見た目にこだわったデザインは奇怪だ。1960年代には必然性があったのだろうけど、必然性のない今になっても形だけ引き継ぐのはいかがなものか。「スイッチングハブ」はネットワークオーディオに使うものらしいけど、全く意味不明の製品だ。鉄針でSP盤を聴いているお爺さんと、同じになってきたことを思い知る。

「ザ・グレート・コンポーネント」で取り上げられているクリークのプリメインアンプは、薄型コンパクトなだけに割高感がすごい。輸入代理店が本気で売りたいんだったら、日本ブランドと聴き比べの試聴会をするべきだと思う。DENONのCDプレイヤーDCD-900NEもうすっぺらい底板にスカスカのパーツ、とくにCDドライブは……とつい思ってしまうけれど、いまやCD専用機は貴重な存在であるからして、リリースしてくれるだけでもありがたい。

福田雅光さんの「オーディオの新常識」は、仮想アースのつなぎ方について。プリアンプ、パワーアンプ、スピーカーのどこにつなぐのか、2箇所つなげば良いというものでもない……と、参考になる。田中伊佐資さんの「音の見える部屋」、これまで色々な人が登場してきたけれど横綱級、それも大鵬か千代の富士か(古い!」というランクのすごい人が登場した。アナログレコードが4万5千枚、スピーカーはオートグラフを筆頭に「200セットくらいは」お持ちだという。見た目がいかにも……の感じではなくて、どこにでもいそうな量産型のおじさん(失礼)なのがまた良い。
posted by あおのり at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽之友社 月刊 stereo