2022年08月08日

ムーンビームス / ビル・エヴァンス    CD

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スコット・ラファロ(b)を交通事故で失ってから、ほぼ1年後の録音。ベースはラファロと同い年のチャック・イスラエルが務めている。企画としては「甘いバラード集」なのだろうけど、ピアノの音がひしゃげているし、ポール・モチアンのドラムはこれが「ワルツ・フォー・デビー」と同じ人なのかと思うほど聴こえない。「ワルツ・フォー・デビー」だったら、冒頭のシンバルのシズル(鋲)の震えにヤラれる人だって、少なくないだろうに。

肝心のエヴァンスのプレイはオリジナルの「Re Person I Knew」と「Very Early」の2曲を吹き込んだセッション以外は、 何となく弾いている感じがつきまとう。さすがに腐っても鯛と言える質は確保しているけど、エヴァンスならでは閃光が欲しくなる。イスラエルはラファロと比べられて割を食った人だけど、ベースの音は美しいしラインも安定している。バリバリと破けたような音で攻めて来るラファロとは、また違った良さがある。

いま聴いているのは1997年発売のビクター盤で、「20bit K2」によるマスタリングだ。持っているのを忘れて買ってしまい、ダブっているのが2007年発売の「DSDマスタリング」による「至高のアコースティック・サウンド」。聴き比べてみると後者はワイドレンジで艶やかな感じがするけど、音のカドが丸くなっているというか、鮮度が落ちている。20年の間にマスターテープが劣化したのもあるだろうけど、ハイファイ感を出すためのイコライジングが悪さをしている印象だ。(Moon Beams / Bill Evans Trio   1962 Riverside)
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posted by あおのり at 09:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1960年〜