2022年07月02日

ラウンド・アバウト・ミッドナイト・アット・ザ・カフェ・ボヘミア / ケニー・ドーハム      LP

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ケニー・ドーハム(tp, 1924〜1972)はアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを退団して、「ジャズ・プロフェッツ」を結成した。ところが旗上げした直後にクリフォード・ブラウンが交通事故で亡くなってしまい、困り果てていたマックス・ローチのために一肌脱ぐことになった。よってこのグループの録音は、スタジオ盤とこのライヴ盤が一枚ずつになってしまった。当初はジャッキー・マクリーン(as)が参加するはずだったが、バンマスのチャールス・ミンガスに殴られて歯を折ってしまい、J. R. モンテローズ(ts)になったということだ。色々な偶然が重なってこの面子になったし、すぐに惚れこんだアルフレッド・ライオンが録音機材をライヴハウスに持ち込んでくれたので、この奇跡の一枚が生まれたということになる。

当時のジャズ・トランぺッターはディジー・ガレスピーのスタイルをいかにモノにして、その上で自分のスタイルを作れるかに腐心していたと思う。マイルス・デイヴィスは1オクターブ低く吹くことはできたけど、ハイノートでハネるようには吹けなかった。それで音数を減らして、ミュートを多用するスタイルを作っていったのだと思う。ドーハムはファットな音色を活かして、訴えかけるような、じっくり聴かせるスタイルだ。「ラウンド・ミッドナイト」はマイルスの演奏が有名だけど、ドーハムも良い味を出していると思う。

メンバーはドーハムの他、J. R. モンテローズ(ts)、ケニー・バレル(g)、ボビー・ティモンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アーサー・エッジヒル(ds)と、当時のアクが強い系ハード・バップのオールスター・メンバーと言って良いだろう。ドーハムのペット以上に泥臭いブルーズを感じさせる、モンテローズとバレル。ティモンズは軽やかなファンキーで、イカしている。ジョーンズの粘っこいベースに、エッジヒルのキレの良いドラムと、この面子で長続きしたら名盤を連発したのではないかと思ってしまう。まあこの一枚で十分、なのかもしれないけど。('Round About Midnight At The Cafe Bohemia / Kenny Dorham  1956 Blue Note)
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posted by あおのり at 08:29| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャズ 1950年〜