
ベニー・カーターはビッグバンドを率いて、作編曲もお手のものだったし、あらゆる楽器を演奏できたマルチプレイヤーだった。ウィキペディアに間違いがなければ、72歳で結婚して95歳で逝去というのも凄い。これは1920年代のウォール街のショウで演奏された音楽、「君はすてき」や「私の青空」などの名曲を、ワンホーンのクァルテットでスイングしようというアルバム。
カーターのアルトサックスは突き抜けるような明るさで晴れがましく、ミュートをつけたトランペットはちょっともの悲しく、感情表現の幅が広い。名手アール・ハインズのピアノが聴けるのも嬉しいし、リロイ・ヴィネカー(b)、シェリー・マン(ds)とリズム隊も最強。ロイ・デュナンの録音も、くっきりと鮮度が高い。みんな良い仕事をしている、大名盤だと思うけど、いまはあまり聴かれていないようだ。これからジャズを聴いてみようという人にも、お勧め。(Swingin' The 20s Wall Street Lays An Egg / The Benny Carter Quartet 1958 Contemporary)
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