
若い女医さん?が胸に聴診器をあてて、恍惚の表情を浮かべる……って、かなりワケのわからんデザインだ。死にかけていたお婆さんが「おお、生きてるぞいっ」だったらまだ分かるけど、そんなの誰も見たくないだろうしなあ……とか下らないことを考えてしまう。もっとマトモなタイトルとジャケットだったら、「ウェスト・コースト・ジャズの傑作」として日本のファンに愛されていただろうにと残念だ。
カーティス・カウンス(b)の他には、ハロルド・ランド(ts)、ジャック・シェルドン(tp)、カール・パーキンス(p)、フランク・バトラー(ds)と、名手がそろっている。出だしからありきたりではなく、シンバルの強烈な一閃で始まる。マイナー・レーベルにリーダー作を吹込んで夭折した、パーキンスをたっぷり聴けるのは嬉しい。この人はロカビリーの歌手と同姓同名で、子ども時代に事故で左腕の自由を失ったが、絶妙なコンピングのスタイルを作り上げた。ランドは良くスイングするし、安定感も抜群だ。シェルドンはこれほどの切れ味があるのに、なぜゆえコメディアンみたいなことを熱心にやっていたのか不思議。バトラーの小気味良くスイングするドラムは心地良い。リーダーのカウンスが一番目立たないのだけれど、全体に目配せをしながら安全運航に努めていて、これぞベーシストの鑑と言えるだろう。(You Get More Bounce With Curtis Counce / Curtis Counce Group 1957 Avid Jazz)