2022年04月30日

ネイチャー / 板橋文夫     LP

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A面は板橋文夫(p)、望月英明(b)、亀山賢一(ds)のピアノ・トリオで、望月さんの重厚なベースと亀山さんのビシバシ決まるドラムスに乗っかって、板橋さんは快調に飛ばす。そして絶品のバラード「リッスン・トゥ・マイ・ストーリー」で閉じる。B面は大自然をテーマに、大友義雄(as)、古沢良次郎(ds)、初山博(vib)、山崎弘一(b)が加わる。14分弱に及ぶ「マクンバ」は圧巻だ。終曲の「アッシュ」は寂寥感が漂い、余韻を残して消えていく。30歳でこれほどのアルバムを作った板橋さんのピアニスト、作曲家としてのスケールの大きさをあらためて感じる。録音はドラムが大き過ぎると感じる人もいるだろうけど、ライブハウスで聴いているときのバランスに近くて好ましいと思う。(Nature / Fumio Itabashi  1979 Better Days)
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2022年04月29日

ミドル・マン / ボズ・スキャッグス    CD

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楽曲のほとんどは大物プロデューサーになったデヴィッド・フォスター(key)が提供し、TOTOの面々やレイ・パーカー Jr.(perc)など、腕利きが寄ってたかって作り上げたアルバム。ボズの中にいた粗削りなロック野郎はどこかに行ってしまい、ストリングス、ホーン、コーラスも入ったアレンジは、すっかりお手のものという感じで洗練されている。ボズはこのアルバムを出してからリタイアして、レストランの経営に乗り出したそうだけど、もうやるだけやって(やらされて?)飽きてしまったのだろうと思う。もちろんアルバムの出来は良くて、AORの名盤と言われているだけのことはある。(Middle Man / Boz Scaggs   1980)
posted by あおのり at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック

2022年04月28日

CD58 ラモー 「優雅なインドの国々」「ダルダニュス」組曲 / コレギウム・アウレウム

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ラモー(1683〜1764)は、バロック時代のフランスで活躍した作曲家で音楽理論家。いま使われている機能和声、ルートや展開形について初めて体系的に記述した人らしい。このCDでは二つのオペラの音楽が、組曲版で演奏されている。ジャケットの表面はあきらかなミスで、なぜか別のCDのが使われている。ものが演奏は生き生きとしているし、録音もきれいだ。(Jean-Philippe Rameau  Les Indes Galantes - Dardanus / Collegium Aureum   Deutsche Harmonia Mundi 1967)
posted by あおのり at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Deutsche Harmonia Mundi

2022年04月27日

AH / エンリコ・ラヴァ     LP

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ジャケットのデザインは、ECMにあっては異端だ。現物はブルーがかっておらず、ギンギラギン。エンリコ・ラヴァ(tp)、フランコ・ダンドレア(p)、ジョヴァンニ・トマッソ(b)、ブルース・ディトマス(ds)のワン・ホーンでラヴァのペットをたっぷり聴ける趣向になっている。ハード・バップとフリー・フォームの良いとこ取りで、語法が外れたかと思えばまた戻ってくる。ダンドレアのピアノも縦横無尽に動き回っているかと思えば、キメるところはキメてくれる。

これは例えば新生ブルーノートからリリースされたとしても違和感のない作品で、だからこそCD化されずにくすぶっていたのだろう。ジャケットでやめたくなる人もいると思うけど、メインストリームもECMも好きな人は、中古盤屋でLPを見つけたら即買いすることをお勧めします。(AH / Enrico Rava Quartet  1979 ECM)
posted by あおのり at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1970年〜

2022年04月26日

澤野工房物語

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もしジャズに関係する仕事をするのなら、マイナー・レーベルのプロデューサーになりたいと思う。若い頃はジャズ喫茶のオヤジに憧れたこともあったけど、いくら好きな音楽とは言え、大音量で一日中聴いていられるものではない。渋谷のJAROみたいな中古盤屋も実に良いと思うけど、仕入れて売るのくり返しは飽きっぽい自分には続かないと思う。ほれ込んだミュージシャンの演奏を、こう聴きたいという音で録音して、世に出すプロデューサーは最高だ。でもそれを続けるのは、並大抵のことではないと思う。作品を出し続けないといけないけど、何と言っても資金繰りが大変なのだ。

澤野工房の澤野由明さんは大阪の下駄屋さんに生れて、高校時代にジャズに開眼した。大学に進んだときの、お父上の「アルバイト禁止令」が面白い。「安易にカネを稼いだらあかん、きっちり遊んで社会勉強して来い」。つまりは「遊ぶだけ遊んだら、家に戻ってしっかり稼げ」ということで、催眠にかけているようなものだ。お父上の目論見通りに下駄屋を継いだものの、やはりジャズマニアになっていた弟さんが、フランス人の奥さんと渡仏してプータローになってしまった。弟さんの仕事を作るために、レコードの輸出入業務を副業で始めたのがきっかけとなって、ついにはオリジナル作品を数多くリリースするまでになった。

レコードの輸出入を始めて40年、そしてレーベルを設立して20年(なんと!、下駄屋の副業ですぞ)。澤野商会をクルマに例えれば「広告なし、ストリーミングなし、ベスト盤なし」の三ない方針を定めた兄がボディで、「とにかく動き回っているのが楽しいし、自分で足を動かさないと新しい出会いってやって来ないからね」の弟がエンジンか。ほのぼのとした語り口調に、澤野さんの素直で温かい人柄を感じる。ミュージシャン達との交流や、業界の裏話など、ジャズファンなら楽しめるエピソードが盛りだくさんだ。(DU BOOKS  disk union)
posted by あおのり at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍