
北京原人、ではない。1961年の初来日では「黒き神々の降臨」とまで報じられた、アート・ブレイキーその人である。ぼくはこの録音から四半世紀後に、グローブのようにデカくて柔らかい手で握手をしてもらった。お正月には必ずこれを聴いて、「今年もジャズを聴こう」と勝手に決意するのが習わしになっている。アルバムタイトルがないので、日本では大ヒット曲の「モーニン」(うなり)で呼ばれるようになったようだ。
とかく「細かいことは若い衆に任せて、ド派手なナイヤガラ・ロールをかますオヤジ」みたいに言われるけど、実は隅々にまで気を配っているし、繊細なドラム・プレイもポリ・リズムも巧い人だ。突っ走るリー・モーガン(tp)、ファンキーで作曲家でもあるボビー・ティモンズ(p)、編曲家のベニー・ゴルソン(ts)、絶妙ベース・ラインのジミー・メリット(b)とメンバーも良い。(Art Blakey and The Jazz Messengers Blue Note 1958)
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