
澤野工房の100枚目を飾ったのは、レーベルのオーナーが一目惚れしてフランスまで引っ張っていった、大石学(p)だった。かの地のベーシスト、ドラマーと「全てをワン・テイクで録る」と臨んだ録音は、曲に没入するような集中力に裏打ちされたものとなった。ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」の1曲目、あまりにも聴かれてしまっている「マイ・フーリッシュ・ハート」は、三人がそれぞれエヴァンス、ラファロ、モチアンに想いを寄せているのだろう、しみじみと沁みてくる。録音は鮮明でナチュラルだけど、ドラムスがわずかに引っ込みがちに感じる。(Wish / Manabu Ohisi Trio Sawano 2010)
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