
1984年発売の、サンスイのいちばん力が入っていたころのプリメインアンプ。上級ラインの907シリーズだけあって、MC型カートリッジ用のトランスまで積んでいた。これは本当に長い間、愛用していたのだけれど、電源を入れてしばらくすると保護回路が作動するようになった。とうにメーカーでの修理は無理だったし、修理工房に出すのも面倒になって、オークションに出してしまった。それからが苦難の道のりで、昔のオンキヨーのセパレートに手を出してみたり、ヴォリュームとセレクターのみのシンプルなオルトフォンを使ってみたり、鈴木哲さん(フィリップス、ソウルノート)のファンになってみたり、ラックスマンの大型プリメインアンプと添い遂げるかと思いきやアキュフェーズに換えてみたりと、妻からは「もうちょっと落ち着くことはできないのか」とからかわれる始末だった。
いまはアキュフェーズらしからぬアキュフェーズの e-305Vで落ち着いていて、おそらくは定期的にメンテナンスに出して使い続けることになると思う。AUD-907Xとの共通点は、素直でウォームな音調と低音に力があることだと思う。ハイエンドの高分解能や、高S/N比(静けさ)、超低歪率は要らないと思うし、むやみにアンプにお金をかける必要はないと思う。ただ壁コンセントやタップ、電源ケーブルなど、電源環境を調えていくのは良いことだと思っている。