2021年06月30日

2021年7月号

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「stereo」の「o」がウーファーで、遊び心がうれしい特集。JBLが創業75年にもなり、何だかんだ言いながらも?ブランドを維持しているのは、敬服に値すると思う。これがステレオサウンドだったら豪華なムックで銘機礼賛のカタマリになるのだろうけど、ほど良いサイズで「JBLでJAZZを楽しめる喫茶MAP」(岩手のハーフノートパラゴン、宮城のコロポックルエベレスト、千葉のキャンディエベレストが抜けてるよ!)などニッチな情報まで目が届いているのが嬉しい。ロゴのステッカー、良いね。パソコンとかに貼ってれば、「あれ、JBLで音楽聴いてるの?」とか話題になりそう。むさいオッサンだと思っていたのに、オーディオ仲間になるかもしれない。

ぜひ取り上げて欲しかった機種は、20p2ウェイの4306。よく売れている30cm3ウェイの4312よりも使いやすそうだし、音のまとまりも良さそうなのに、なぜか日陰者なのだ。実際に音を聴いたことがないので、あらためてレビューを掲載して欲しかった。あっけらかんとしたJBLサウンドを手軽に楽しめるControlシリーズも生き残っているのに、無視されたのはちと悲しい。エベレストやK2はステレオサウンドにお任せして、住み分けて行った方が良くはないですかね。

つくづくダメだと思うのは、評論家二氏による現用機種のレビュー。歴史的経緯だとかユニットの構成だとか、どうだって良いことでこれでもかと文字数を埋めている。読者が知りたいのは、実際に音楽がどう聴こえるのか、それぞれの機種の良さはどこか、他のメーカーのスピーカーと比べてどうなのか、お買い得品はどれか、使いこなしのコツはどうか、そういったことではないだろうか。オーディオへの熱量を感じない記事は退屈だし、紙のムダというものだろう。

新製品の紹介では、クリプトン KX-0.5Uが載っていて高評価だ。KX-0.5Pを購入したばかりだけど、マークUが出るのは知っていたので後悔はない。マッキントッシュは新製品をこれでもかと投入してきているが、今度は真空管プリの銘機C22をリファインしたC22Vで、ちょっと聴いてみたい気はする。縁はないだろうけど。生方さんのマークオーディオのユニットを使った「夢の低音行脚」は良い。夢があるし、面白い。
posted by あおのり at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽之友社 月刊 stereo

2021年06月29日

ウィズアウト・ライム・オア・リーズン / スコット・ジャレット   CD

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キース・ジャレットは五人兄弟の長男で、弟のスコット・ジャレットはシンガー・ソング・ライター。これはデビュー・アルバムで、その後も何枚かリリースしている。大学の先生になって、音楽活動一本でやっているわけではないようだ。曲作りも、歌も、ギターも達者で、才能は十分にあるように思われるけど、残念なのはプロデュースだ。もっとシンプルにまとめれば良いのに、当時流行の「クロスオーバー」でファンキーにしたり、シンセやストリングスをかぶせたり、ゴテゴテにして逆効果になっている。キースも2曲でピアノを弾いている。(Without Rhyme or Reason / Scott Jarrett  1980 GRP Records)
posted by あおのり at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴォーカル

2021年06月28日

ワルツ・フォー・デビイ / ビル・エヴァンス   LP

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麻薬のために、マイルスのバンドをクビになったビル・エヴァンス。トリオを結成したは良いけれど、売れっ子だったスコット・ラファロにはまともなギャラを払えなかった。このヴィレッジ・アンガードのライブでもコップをガチャガチャさせたりバカ笑いまでして、音楽を聴いている人がどのくらいいるのか? そんな崖っぷちで、音にのめりこんでいくような演奏だからこそ、聴き継がれる録音になったのかもしれない。だれでも、いつでも、何回でも聴ける。(Waltz For Debby / Bill Evans   1961 Riverside)
タグ:RIVERSIDE
posted by あおのり at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ 1960年〜

2021年06月27日

マーラー 交響曲第3番 / エリアフ・インバル指揮 フランクフルト放送交響楽団   2CD

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この録音は98分だが、かつて「最も長い交響曲」としてギネスブックに掲載されていたとのこと。マーラーの音楽は暗くて重々しいだけではなくて、不条理を背負った者にしか出せない、あっけらかんとしたあきらめや空騒ぎがあるように思う。とくにこの第3番にはそんな色合いを強く感じるが、インバルの指揮はそれをうまく引き出しているように思う。(Gustav Mahler Symphony No. 3 / Eliah Inbal Frankfurt Radio Symphony Orchestra   1985 Denon)
posted by あおのり at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック オーケストラ

2021年06月26日

クラシック・ギターのミューズ

ときには人並みに? テレビやYouTubeで演奏を観ることもある。でもオーケストラの映像は客席から、演奏者側から、天井から、指揮者の足元から……と目まぐるしく視点が動き回り、ズーミングなんかもするものだから、とてもではないが落ち着かない。客席から固定で写した方が、大画面と高解像度の良さが出るんじゃなかろうか。これがクラシック・ギターの独奏だと、画面があちこち切り替わらないし、しかも演奏者が美女とくれば目の保養にもなる。

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アナ・ヴィドヴィチ(Ana Vidovic 1980〜)はクロアチア出身で、来日もしていた。この人はもう、本当に凄い。まず、音がデカい(に違いないと思わせる)。良く響く、張りのある音質。どの弦でもどのポジションでも、まったく均一な音が出てくるし、揃い切ったトレモロには唖然とする。指を大きく開いても、ストレッチの苦しさが全くない。指先がフィンガーボードに吸い込まれるようで、手の動きが美しい。長身で日本人にはあり得ない指の長さだけど、余計な動き、余計なノイズが一切ない演奏は神がかっている。日本のコンサートでもチケットが取れないことで有名だったらしいけど、奇跡をこの目で見たいと思うギター愛好家がドッと押し寄せたのではないだろうか。

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もうひとりは、スペインのアナベル・モンテシノス(Anabel Montesinos 1984〜)。ネットで検索をかけても、あまり情報は出てこないので、まだ来日はないのだろう。音質は張りがあって、スタッカートの切れ味も爽快だ。この人も指が長くていいなあと思うのだけど、フィンガーボードを見る眼力が凄い。ヴィドヴィチのように神がかった演奏ではないが、「人」が魂をこめて弾いている感じがする。情念丸出しなのは可愛いと言うか、ギター弾きらしくて好感がもてる。
posted by あおのり at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽と音楽家